65歳の男性。
50歳時に高血圧を指摘されたが放置していた。
他に特記すべき既往歴はなく、下肢静脈瘤もない。
30分前に突然、前胸部および背部の冷汗を伴う激しい疼痛が出現し、その後も持続している。
右橈骨動脈で強く脈拍を触れるが、左橈骨動脈では脈拍を触知しない。
可能性が高いのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
高血圧の既往がある男性が、突然、前胸部から背部にかけての激しい痛みを訴えています。
さらに右の橈骨動脈は強く触れるのに、左の橈骨動脈は触れないという左右差があります。
【選択肢別解説】
1:× 自然気胸は痩せ型の若い男性に多い疾患です。
突然の胸痛と呼吸困難が主な症状で、橈骨動脈の脈拍に左右差は生じません。
2:× 急性心筋梗塞でも突然の胸痛と冷汗がみられます。
しかし冠動脈の閉塞では、左右の橈骨動脈の脈拍に差は生じません。
3:× 肺血栓塞栓症は、主に下肢の深部静脈の血栓が肺動脈に詰まる疾患です。
下肢静脈瘤や長期臥床などの危険因子がなく、脈拍の左右差も説明できません。
4:○ 急性大動脈解離の可能性が高いです。
大動脈の壁が裂けて解離が背部へ広がるため痛みが移動し、分枝の血流が途絶えると脈拍に左右差が出ます。
【ポイント】
大動脈解離は「高血圧・突然の背部へ広がる激痛・脈拍や血圧の左右差」が典型です。
上行大動脈に解離が及ぶスタンフォードA型は、緊急手術の適応です。