56歳の女性。
8か月前から徐々に歩行時の疲れやすさを自覚し、1か月前から階段を昇れなくなり、洗髪時に腕を挙げるのが難しくなった。
胸腹部に異常を認めない。
上眼瞼部に浮腫性の淡い紫色の紅斑を認める。
血液検査でクレアチンキナーゼ(CK)が1870 U/L(基準30~140)であった。
最も考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
この患者は、数か月かけて進む四肢の近位筋の筋力低下を示しています。
階段を昇れない、腕を挙げられないという症状に、上眼瞼の紫色の紅斑とクレアチンキナーゼ(CK)の上昇を伴います。
【選択肢別解説】
1:× 結節性多発動脈炎は中小動脈の血管炎です。
発熱・体重減少・多発性単神経炎・腎障害が主な症状で、上眼瞼の紅斑やCKの著明な上昇は特徴ではありません。
2:○ 皮膚筋炎が最も考えられます。
近位筋の筋力低下とCKの上昇は筋炎を示し、上眼瞼の浮腫性の紫紅色の紅斑はヘリオトロープ疹とよばれる特徴的な皮疹です。
3:× 強皮症は皮膚が硬くなる疾患です。
レイノー現象や手指の皮膚硬化が主な症状で、ヘリオトロープ疹はみられません。
4:× ベーチェット病は口腔内アフタ、外陰部潰瘍、ぶどう膜炎、皮膚症状を主症状とする疾患です。
近位筋の筋力低下やCKの上昇は特徴ではありません。
【ポイント】
皮膚筋炎の皮疹には、ヘリオトロープ疹のほか、手指関節背側のゴットロン徴候があります。
皮膚筋炎は悪性腫瘍を合併しやすいため、全身の検索が必要です。