13歳の男子。
転倒した際に肘関節伸展位で左手を地面に衝いて受傷した。
肘関節内側に著明な腫脹と皮下出血斑を認める。
同部に限局性圧痛を認め、肘関節の屈伸運動障害もみられる。
受傷時の単純エックス線写真(別冊No. 2)を示す。
続発症で最も考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
肘関節伸展位で手をつき、肘関節内側に腫脹・皮下出血斑・限局性圧痛がある13歳の症例です。
エックス線写真では、内側上顆の位置から骨片が分離し、遠位側へ転位しています。
これらから上腕骨内側上顆骨折と判断します。
【選択肢別解説】
1:× 前腕回外制限は、橈骨頭・頸部の骨折などで起こる続発症です。
内側上顆骨折は前腕の回旋に関わる部位の骨折ではないため、最も考えられるものではありません。
2:× 肘関節屈曲障害は最も考えられる続発症ではありません。
骨片が関節内に嵌入すると屈伸障害が起こりますが、本症で特に注意すべきは神経障害です。
3:× 外反肘変形は、主に上腕骨外顆骨折の偽関節や変形治癒で起こる続発症です。
内側上顆骨折で最も考えられる続発症ではありません。
4:○ 尺骨神経は内側上顆のすぐ後方にある尺骨神経溝を走行しています。
骨片の転位や仮骨、瘢痕によって尺骨神経が圧迫・牽引されやすいため、尺骨神経麻痺が最も考えられます。
【ポイント】
内側上顆骨折は、外反強制により前腕屈筋群と内側側副靱帯に引かれて起こる裂離骨折です。
続発症として尺骨神経麻痺と、骨片の関節内嵌入に注意します。