35歳の男性。
テニス中に転がっていたボールを踏み転倒し、右母指を外転強制された。
MP 関節の圧痛、運動痛、側方動揺性がみられる。
医科での単純エックス線検査では骨損傷は確認されなかった。
正しいのはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
母指を外転強制され、MP関節の圧痛、運動痛、側方動揺性があり、骨損傷はない症例です。
母指MP関節尺側側副靱帯損傷(スキーヤーズサム、ゲームキーパーズサム)が考えられます。
【選択肢別解説】
1:○ 損傷した尺側側副靱帯の断端が離れないよう、外転を防ぐ肢位とし、MP関節伸展位で固定します。
記述は正しいです。
2:× ステナー損傷は、断裂した尺側側副靱帯の遠位端が母指内転筋腱膜の上へ反転し、間に腱膜が挟まった状態です。
完全断裂の一部で起こるもので、必発ではありません。
起こると靱帯が癒合しないため手術の適応になります。
3:× IP関節の弾発現象は、屈筋腱の腱鞘炎によるばね指(弾発指)でみられる症状です。
MP関節の側副靱帯損傷で起こる症状ではありません。
4:× 副靱帯(副側副靱帯)は掌側板とともに関節の伸展位で緊張します。
IP関節伸展位で副靱帯が弛緩するという記述は誤りです。
【ポイント】
母指MP関節尺側側副靱帯損傷は、完全断裂でステナー損傷を伴うかどうかが治療方針を決める要点です。
放置すると母指のつまみ動作が不安定になるため、適切な固定が必要です。