21 歳の女性。
ソフトボールの試合中、捕球に失敗し右手小指を負傷した。
右手小指は背側の皮膚に深い陥凹がみられ、自動的にも他動的にも動かせない。
外観写真(別冊 No. 5)を別に示す。
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
写真では、右手小指の指背の中ほどに深い横じわのような陥凹がみられ、そこを境に指の輪郭に段差ができています。
小指は自動的にも他動的にも動かせず、弾発性固定の状態です。
突き指で中節骨基部が基節骨の背側へ乗り上げたPIP関節背側脱臼の外観です。
【選択肢別解説】
1:× 終止腱断裂(腱性槌指)では、DIP関節が屈曲して自動伸展できなくなります。
他動的には伸展でき、PIP関節部に段差や陥凹は生じません。
2:× 中央索断裂では、PIP関節が屈曲しDIP関節が過伸展するボタン穴変形が起こります。
初期には他動的にPIP関節を伸展でき、関節が固まって動かないことはありません。
3:× 基節骨頸部骨折では、骨折部に異常可動性があり、痛みはあっても他動的に動きます。
弾発性固定はみられません。
4:○ PIP関節背側脱臼が考えられます。
中節骨が背側へ転位するため、PIP関節部に段差ができ、指背の皮膚が押し縮められて深い陥凹が生じます。
脱臼特有の弾発性固定のため、自動・他動とも動かせません。
【ポイント】
骨折は異常可動性、脱臼は弾発性固定と覚えると鑑別しやすくなります。
PIP関節背側脱臼は球技の突き指で多く、整復後は掌側板の損傷に注意します。