32歳の男性。
工場で作業中に機械に左示指を挟まれて受傷した。
救急車で医療機関に搬送され、正中索の部分損傷と診断された。
手術療法を勧められたが、どうしても手術はしたくないとのことで保存療法を選択された。
PIP関節の固定肢位はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
正中索(中央索)は指伸筋腱の一部で、中節骨基部に付着してPIP関節を伸展させます。
正中索の損傷を放置すると側索が掌側へ落ち込み、PIP関節屈曲・DIP関節過伸展のボタン穴変形が生じます。
【選択肢別解説】
1:× 深屈曲位は誤りです。
PIP関節を深く屈曲すると正中索の断端が引き離され、修復が妨げられてボタン穴変形を助長します。
2:× 60度屈曲位は誤りです。
屈曲位では正中索の断端が離開するため、損傷部の癒合が得られません。
3:× 30度屈曲位は誤りです。
軽度であっても屈曲位では正中索に張力がかかり、断端が離開するため不適切です。
4:○ 伸展位が正しいです。
PIP関節を伸展位に保つと正中索の断端が近づいて癒合が促され、ボタン穴変形を予防できます。
【ポイント】
正中索損傷の保存療法では、PIP関節を伸展位で固定したまま、DIP関節の自動屈曲運動を行わせて側索を背側に保ちます。
ボタン穴変形は受傷から遅れて現れることがあるため、受傷初期の正中索損傷を見逃さないことが重要です。