正答1
解説
正解は1。
委任契約における受任者の地位の譲渡、終了事由、受任者の損害賠償請求、無償委任の注意義務を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 受任者たる地位は委任者との信頼関係に基づくものであり、契約上の地位の移転には相手方(委任者A)の承諾が必要です。
よってBはAの承諾がなければ地位を第三者に譲渡できません。
2:× 委任の終了事由は、委任者又は受任者の死亡・破産手続開始の決定、受任者の後見開始の審判です(民法653条)。
「保佐開始」の審判は終了事由に含まれないため、「後見開始又は保佐開始」とする点が誤りです。
3:× 受任者が委任事務を処理するため自己に過失なく損害を受けたときは、委任者に損害賠償を請求できます(民法650条3項)。
これは委任者の無過失責任であり、「Aの指図について過失がなければ請求できない」とする点が誤りです。
4:× 受任者は、有償・無償を問わず、善良な管理者の注意をもって委任事務を処理する義務を負います(民法644条)。
無償であっても善管注意義務に違反すれば債務不履行責任を負います。
【ポイント】
無償でも善管注意義務(無償寄託の「自己の財産と同一の注意」とのひっかけに注意)、委任の終了事由に「保佐開始」は入らない、の2点が定番です。
※現行法(2020年4月施行の改正民法)では、契約上の地位の移転に相手方の承諾が必要なことが明文化されています(民法539条の2)。