正答3
解説
正解は3。
損害賠償額の予定の効果と、通常損害・特別損害の区別(予見可能性が要件となるのはどちらか)を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 損害賠償額の予定があれば、債権者は債務不履行の事実を証明すれば足り、損害の発生や損害額を証明することなく予定額を請求できます。
予定の制度はまさに損害額の立証の手間を省く点に意味があります(民法420条1項)。
2:○ 出題当時の民法420条1項後段は「裁判所は、その額を増減することができない」と定めていました。
実際の損害額が予定額より大きいと立証しても、増額を請求することはできません。
※現行法では後段が削除されましたが、予定額に当事者が拘束されるという原則は変わっていません。
3:× 「通常生ずべき損害」は、予見可能性を問わず賠償の対象になります。
予見し又は予見することができたことが要件となるのは「特別の事情によって生じた損害」です。
通常損害についてまで予見可能性を要件とした点が誤りです(民法416条1項・2項)。
※現行法では特別損害の要件が「予見すべきであったとき」という規範的な表現に改められています。
4:○ 金銭債務の不履行については、債務者は不可抗力をもって抗弁とすることができません。
よって不可抗力で期日に支払えなくても、遅延損害金の賠償責任を免れません(民法419条3項)。
【ポイント】
「通常損害=当然に賠償、特別損害=予見可能性が必要」「金銭債務は不可抗力でも免責されない」の2点は頻出です。