正答3
解説
正解は3。
滞納管理費の督促・遅延損害金・破産・行方不明者に対する訴訟という、回収実務の基本を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 「催告」は債務者に履行を請求する意思の通知であり、方式は問われません。
普通郵便や口頭でも催告に当たり、内容証明郵便はあくまで催告をした事実と日付を証明するための手段です。
「内容証明郵便で行わなければ催告に該当しない」とする点が誤りです。
なお出題当時の民法では、催告後6か月以内に裁判上の請求等をしなければ時効中断の効力は生じませんでした(旧民法153条)。
※現行法では「時効の中断」は「完成猶予・更新」に改められ、催告は6か月間の完成猶予事由とされています(民法150条)。
2:× 金銭債務の不履行による損害賠償は、約定利率の定めがなくても法定利率によって請求できます。
規約に遅延損害金の定めがなくても、当時の法定利率である年5%の遅延損害金を請求できるので、「請求することができない」とする点が誤りです(民法419条1項・旧404条)。
※現行法では法定利率は年3%を基準とする変動制です。
3:○ 区分所有者が破産手続開始の決定を受けると、開始前の滞納管理費は破産債権となり、原則として破産手続に参加(債権届出)しなければ回収できません。
ただし管理費債権には区分所有法7条の先取特権があり、これは破産手続上の別除権として破産手続によらずに実行できます(破産法65条・2条9項)。
4:× 区分所有者が行方不明でも、訴えを提起することはできます。
訴状等は公示送達の方法で送達でき、判決を得て強制執行に進むことも可能なので、「訴えを提起することはできない」とする点が誤りです(民事訴訟法110条)。
【ポイント】
区分所有法7条の先取特権は破産手続では「別除権」になる、という点がこの問題の核心です。