次の記述のうち、区分所有法の規定、標準管理規約(単棟型) 及び判例によれば、理事会の決議のみで行うことができるものはいくつあるか。
ア管理組合の業務を委託するマンション管理業者を変更すること。
イ組合員が利用していないマンションの屋上部分に、携帯電話基地局の設置を認めて、電信電話会社から賃料収益を得る契約を締結すること。
ウ敷地及び共用の施設での禁煙細則案と、それに伴う規約の改正案を検討するために、別途の予算を要さずに組合員で構成される専門委員会を設置すること。
エ管理者である理事長が1箇月入院することになったため、理事長と他の理事との職務を交代すること。
正答2
解説
正解は2(理事会の決議のみで行えるのはウ・エの二つ)。
区分所有法・標準管理規約(単棟型)・判例に照らして、総会決議が必要な事項と理事会決議だけで足りる事項を区別する問題です。
【選択肢別解説】
ア:× 管理組合の業務を委託する管理業者の変更(業務委託契約の締結)は、総会の決議事項です(標準管理規約48条)。
理事会の決議のみで行うことはできません。
イ:× 屋上に携帯電話基地局の設置を認めて賃料収入を得る契約は、共用部分を第三者に使用させるものであり、総会の決議が必要です(標準管理規約16条2項・48条)。
ウ:○ 専門委員会の設置は、理事会の決議事項です(標準管理規約55条1項)。
規約改正案の検討であっても、別途の予算を要しないのであれば理事会の決議のみで設置できます。
エ:○ 理事長は理事会で理事の互選により選任されるので(標準管理規約35条3項)、理事会の決議で理事長を解職し、他の理事と職務を交代させることができます(最判平成29年12月18日)。
よって理事会の決議のみで行えるものはウ・エの二つです。
【ポイント】
「管理業者の選定・変更」「共用部分の第三者への賃貸」は総会、「専門委員会の設置」「理事長の選任・解任」は理事会です。
理事会で選んだ理事長は理事会で解任できるという判例は頻出です。