55歳、男性。
会社員。
運動習慣なし。
電車通勤片道1時間。
健康診断で高尿酸血症を指摘され医療機関を受診した。
医師より薬物治療を勧められたが、本人の希望で服薬せずに食事療法を開始することになり、栄養食事指導を行った。
身長170 cm、体重 65 kg、BMI 22.5 kg/m2。
空腹時の血液検査値は、血糖 95 mg/dL、HbA1c 5.3%、尿酸 8.2 mg/dL、LDL コレステロール 125 mg/dL、HDL コレステロール 65 mg/dL、トリグリセリド 115 mg/dL。
表は、患者から聞き取った普段の食事内容である。
優先すべき栄養食事指導の内容として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
この患者は尿酸8.2mg/dLで、7.0mg/dLを超える高尿酸血症です。
BMI 22.5kg/m2で肥満はなく、血糖や脂質の値も基準範囲内です。
表の夕食には焼酎(25度)360mLがあり、毎日の飲酒量が多いことが最大の問題です。
【計算】
アルコール量(g)=飲酒量(mL)×アルコール度数×比重0.8
360mL×0.25×0.8=72g
1日約72gのアルコールを摂取しています。
【選択肢別解説】
1:× 主菜は朝の納豆と鶏卵、昼の卵焼きと鶏唐揚げとウインナー、夕の刺身と冷奴と肉野菜炒めです。
通常の肉や魚のプリン体量は内臓や干物ほど多くなく、量を減らすことは最優先ではありません。
過度に減らすと、たんぱく質不足につながるおそれもあります。
2:× 鶏卵はプリン体をほとんど含まない食品です。
尿酸値を下げる目的で卵を1日1個に制限する根拠は乏しいです。
3:× 野菜を増やすことは尿のアルカリ化に役立ち、望ましい指導です。
しかし、尿酸値を上げている最大の要因は飲酒であり、優先順位は高くありません。
4:○ アルコールは、肝臓での尿酸の産生を増やし、腎臓からの尿酸の排泄を妨げます。
1日約72gという多量の飲酒が高尿酸血症の主な原因と考えられるため、禁酒を勧めることが最優先です。
【ポイント】
高尿酸血症の生活指導では、肥満の是正、プリン体の過剰摂取の制限、飲酒の制限、十分な水分摂取が柱になります。
アルコールは種類を問わず尿酸値を上げるため、プリン体の少ない焼酎でも多量の飲酒は控えるよう指導します。