K 県健康増進課に勤務する管理栄養士である。
K 県では5年ごとに国民健康・栄養調査の方法に準じた県民健康・栄養調査を実施し、県民の栄養素等摂取量の平均値を求めて、前回調査からの変化を比較することで、施策の評価につなげてきた。
しかし、これまでは、県民における栄養素の摂取不足者の割合を評価することができなかった。
そこで、今回の調査では、これまでの調査結果との比較に加え、日本人の食事摂取基準を基に EAR カットポイント法を用いた評価を行うことを目的として、食事調査方法を検討することになった。
今回の調査目的を達成すると同時に、対象者の負担を考慮しつつ実施できる食事調査方法に関する記述である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
EARカットポイント法は、集団の習慣的な摂取量の分布のうち、EAR(推定平均必要量)を下回る者の割合を不足者の割合とみなす方法です。
1日だけの調査では日間変動(個人内変動)が含まれ、分布が実際より広がって不足者の割合を過大に評価してしまいます。
個人内変動を除くには、同じ人について2日以上の調査が必要です。
さらに、これまでの調査結果と比較するためには、同じ食事記録法を用いる必要があります。
【選択肢別解説】
1:× 食物摂取頻度調査法では摂取量の絶対値の精度が劣り、これまでの食事記録法による結果とも比較できなくなります。
2:× 1日間の調査では個人内変動を除けず、EARカットポイント法による正確な評価ができません。
調査方法が変わり、過去との比較もできません。
3:× 7日間連続の記録は、対象者の負担が大きすぎます。
協力率の低下や、記録の質の低下を招くおそれがあります。
4:○ これまでと同じ食事記録法なので過去と比較でき、連続しない2日間で個人内変動を推定できます。
対象者の負担も比較的小さい方法です。
【ポイント】
集団の不足者割合を推定するには、少なくとも一部の対象者で2日以上の調査を行い、個人内変動を調整します。
連続しない日を選ぶと、日間の独立性が高まり推定に適します。