70 歳の男性。
身長 180 cm、体重 90 kg。
脳梗塞のため麻痺肢に内反尖足がみられる。
10 m であれば独歩可能であるが、軽度の分回し歩行となる。
意識してゆっくりと歩けば分回しを軽減することは可能であるが、遊脚相の股関節屈曲は増加し立脚中期に膝過伸展がみられる。
2 動作前型で屋外歩行の自立を目標に理学療法を進めている。
この患者に適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
本症例は身長180 cm・体重90 kgと大柄で、内反尖足があります。
遊脚相の分回しや股関節屈曲の増加はつま先の引っかかりへの代償で、立脚中期の膝過伸展もみられます。
2動作前型で屋外歩行の自立を目指すため、強い支持性と調整のしやすさが必要です。
【選択肢別解説】
1:× 内反尖足と膝過伸展があり、装具なしでは屋外歩行の安定性が得られません。
2:× 軟性足装具は軽い内反の矯正程度にとどまります。
本症例の内反尖足や膝過伸展は制御できません。
3:× ショートタイプのプラスチック装具は足関節を支える力が弱く、軽度の下垂足向けです。
体重の重い本症例の内反尖足には支持力が足りません。
4:× 標準型のプラスチック装具は一定の制動力がありますが、継手がないので角度を調整できません。
体重90 kgでの屋外歩行では強度が不足し、破損のおそれもあります。
5:○ 金属支柱付短下肢装具は強度が高く、内反尖足を強く矯正できます。
足継手で背屈補助や底屈制限を調整でき、底屈を制限すれば立脚中期の膝過伸展も抑えられます。
大柄な患者が屋外歩行を行うのに適した装具です。
【ポイント】
短下肢装具は、痙性の強さ・体格・使用環境・調整の必要性で選びます。
膝過伸展には、足継手の底屈制限(軽い背屈位での固定)で対応するのが定石です。