65 歳の男性。
間質性肺炎。
労作時呼吸困難、咳を主訴に来院した。
3年前から歩行時の呼吸困難が増悪した。
1か月前から咳、労作時の呼吸困難の悪化を認め入院となった。
入院時、心電図は洞調律。
血液検査では CRP 3.1 mg/dL (基準値:0.3mg/dL 未満)、KL-6 790 U/mL(基準値 500 U/mL 未満)であった。
理学療法評価では、mMRC 息切れスケールはグレード3。
筋力は MMT 上下肢4、6分間歩行テストは 200 m であった。
胸部 CT(別冊No. 5)を別に示す。
この患者の胸部 CT として最も可能性が高いのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
3年かけて徐々に進行した労作時呼吸困難があり、間質性肺炎のマーカーであるKL-6(シアル化糖鎖抗原KL-6)が790U/mLと高値です。
慢性に進行した間質性肺炎(特発性肺線維症など)では、肺の外側と背側を中心に網状影と蜂巣肺がみられます。
【選択肢別解説】
1:× ①は肺尖部の断面で、両肺に小さな粒状の陰影が散らばっています。
網状影や蜂巣肺はなく、慢性に進行した間質性肺炎の像ではありません。
2:× ②は縦隔条件に近い表示で、両側の肺門部に腫瘤状の陰影がみられます。
肺門部の腫瘤やリンパ節腫大などを示す像で、間質性肺炎の所見ではありません。
3:× ③は両肺に、すりガラス状の淡い陰影がびまん性に広がっています。
肺水腫や急性の肺炎などでみられる急性の像に近く、3年かけて進行した線維化の像としては典型的ではありません。
4:○ ④は肺底部近くの断面で、両肺の胸膜直下から背側にかけて、小さな嚢胞が集まった蜂巣肺と網状影が広がっています。
慢性に線維化が進んだ間質性肺炎に特徴的な所見です。
5:× ⑤は両肺の上葉に、血管影の乏しい黒く抜けた低吸収域が広がっています。
肺胞が壊れた肺気腫(慢性閉塞性肺疾患)の像です。
【ポイント】
間質性肺炎は下葉・背側・胸膜直下優位の網状影と蜂巣肺、肺気腫は上葉優位の低吸収域が特徴です。
KL-6は間質性肺炎の活動性の指標として覚えます。