健常成人の血清免疫電気泳動像(別冊No. 14)を別に示す。
矢印が示す沈降線に相当するのはどれか。
ただし、泳動像上部は写真、下部はその一部の模式図を示す。
正答3
解説
正解は3です。
別冊No. 14は横向きに配置されており、上が陰極(−)、下が陽極(+)、中央の「○」が試料を入れた穴(原点)です。
陽極側には太く濃いアルブミンの沈降線があり、陰極側には長く伸びるIgGの沈降線がみられます。
矢印が示すのは、陰極側にある短い弧状の沈降線で、IgGの長い沈降線より内側(試料孔に近い側)に位置しています。
陰極寄りで、短く、試料孔の近くに現れる沈降線はIgMの特徴です。
【選択肢別解説】
1:× IgAの沈降線は、原点付近からβ域にかけての、IgGよりやや陽極寄りの位置に現れます。
矢印の沈降線とは位置が異なります。
2:× IgGの沈降線は、陰極端から原点付近まで長く伸びる弧です。
図では矢印の沈降線の外側にある長い弧がIgGに当たります。
3:○ IgMは五量体で分子が非常に大きく、拡散が遅いうえに血中濃度も低いため、試料孔に近い位置に短い沈降線を作ります。
陰極側に短い弧として現れ、矢印の位置と一致します。
4:× 補体C3の沈降線はβ域、つまり原点より陽極側に現れます。
陰極側にはありません。
5:× トランスフェリンの沈降線もβ域に現れ、濃度が高いため明瞭です。
陰極側に現れる沈降線ではありません。
【ポイント】
免疫電気泳動では、陰極側から順にIgG、IgM、IgAの沈降線が重なって並び、β域にトランスフェリンやC3、陽極側にアルブミンが現れます。
M蛋白血症では、特定の免疫グロブリンの沈降線が局所的に弓なりに膨らみます。