正答3
解説
正解は3です。
呼吸機能検査では、肺気量(拘束性か)・1秒率(閉塞性か)・拡散能の3点から病態を判断します。
図の所見を確認します。
No.4Aでは、肺活量〈VC〉が予測値の59.5%で、80%未満の拘束性換気障害です。
1秒率〈FEV1%〉は90.1%で70%以上あり、閉塞性障害はありません。
残気量・機能的残気量・全肺気量も予測値の55〜61%と、すべての肺気量が均等に減っています。
肺拡散能〈DLco〉は予測値の19.2%、肺胞気量あたりの拡散能〈DLco/VA〉も28.1%と著しく低下しています。
No.4Bのフローボリューム曲線は、ピークフローに達した後ほぼ直線的に下降し、下に凸の閉塞性パターンはありません。
呼出量は約2Lと小さく、拘束性の形です。
拘束性障害に拡散能の著しい低下を伴うことが、間質性肺炎の根拠です。
【選択肢別解説】
1:× 肺切除後も肺気量は減少します。
しかし残った肺の肺胞は正常なので、DLco/VAは保たれます。
本例のようにDLco/VAが著しく低下することはありません。
2:× 気管支喘息は閉塞性換気障害で、1秒率が低下します。
本例は1秒率が正常で、拡散能も通常は低下しません。
3:○ 間質性肺炎では、肺が硬くなって膨らみにくくなり、肺気量が全体に減少します。
肺胞壁が厚くなるためガス交換が障害され、DLcoとDLco/VAが著しく低下します。
本例の所見とよく一致します。
4:× 慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉では1秒率が70%未満に低下します。
残気量はむしろ増加し、フローボリューム曲線は下に凸の形になります。
5:× 呼吸筋障害では肺活量は低下しますが、肺そのものは正常です。
そのためDLco/VAは保たれ、残気量は減らないか増加することが多いです。
【ポイント】
拘束性障害の鑑別では拡散能を見ます。
肺実質の病気(間質性肺炎)はDLco/VAが低下し、肺外の原因(肺切除・神経筋疾患)は保たれます。