補体系の検査結果を以下に示す。
検査項目 検査結果
CH50 低下
C3 基準範囲内
C4 低下
C1q 基準範囲内
C1‑INH活性 低下
考えられるのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
補体の検査パターンから、補体がどの経路で消費されているかを読み取ります。
C4だけが低下しC3が保たれていれば古典経路の初期の異常、C3だけが低下していれば第二経路の活性化を考えます。
本例の所見を確認します。
CH50とC4が低下し、C3は基準範囲内です。
C1qは基準範囲内で、C1インヒビター〈C1-INH〉活性が低下しています。
C1-INHが不足するとC1が抑えられずに活性化し、基質であるC4とC2が消費されます。
C3まではあまり消費されず、C1qも正常に保たれるのが遺伝性血管性浮腫の特徴です。
【選択肢別解説】
1:× 関節リウマチでは、補体は基準範囲か、炎症によってむしろ高値になることが多いです。
C1-INH活性の低下はみられません。
2:× 膜性増殖性糸球体腎炎では、C3の持続的な低下が特徴です。
本例ではC3が基準範囲内なので合いません。
3:× 全身性エリテマトーデスでは、免疫複合体により古典経路が活性化されます。
C3・C4・C1qがともに低下し、C1-INH活性は通常低下しません。
4:× 溶連菌感染後急性糸球体腎炎では、第二経路の活性化によりC3が一過性に低下します。
本例ではC3が基準範囲内なので合いません。
5:○ 遺伝性血管性浮腫では、C1-INHの遺伝的な欠損や機能低下により、C4とCH50が低下します。
C3とC1qは保たれ、本例の所見と一致します。
ブラジキニンの増加で、顔面や喉頭、腸管に発作的な浮腫が起こります。
【ポイント】
C4低下・C3正常・C1-INH活性低下なら遺伝性血管性浮腫です。
C1qも低下していれば、後天性のC1-INH欠損症を考えます。