30歳の男性。
頸髄損傷完全麻痺(第6頸髄まで機能残存)。
上腕三頭筋の筋力検査を行う場面を図に示す。
代償運動が出現しないように作業療法士が最も抑制すべき運動はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
第6頸髄まで残存した頸髄損傷では、第7頸髄支配の上腕三頭筋がはたらきません。
そのため肘を伸ばすとき、肩関節を外旋して前腕を外へ振り出し、重力や反動で肘を伸ばす代償がよくみられます。
図では座位の患者の上肢を体の前で水平に保ち、作業療法士が肩と上腕遠位部を支えて検査しています。
【選択肢別解説】
1:× 体幹屈曲は肘の伸展の代償としては主ではありません。
体幹の動きでは肘関節そのものは伸びないため、最も抑制すべき運動ではありません。
2:× 肩関節屈曲では肘は伸びません。
C6残存で三角筋前部や大胸筋ははたらきますが、図の肢位で肘伸展の見かけをつくる主な代償は屈曲ではありません。
3:× 肩関節外転も肘の伸展には直接つながりません。
上腕三頭筋の検査で問題になる代償運動ではありません。
4:○ 肩関節外旋は、前腕を外側へ回して重力や反動で肘を伸ばしたように見せる代表的な代償です。
上腕三頭筋の筋力を正しく判定するには、作業療法士が上腕を固定して外旋を抑えます。
5:× 前腕回内は肘の伸展をつくる代償ではありません。
C6残存では回外筋群がはたらき、回外と肩外旋を組み合わせた代償が問題になります。
【ポイント】
C6残存の頸髄損傷は、上腕三頭筋(C7)が麻痺しても肩外旋と重力を利用して肘を伸ばせることが特徴です。
筋力検査では代償を抑える固定の方法まで問われることを覚えておきましょう。