32歳の女性。
右利き。
診断名は右乳がん(ステージⅡ)。
右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術施行目的で入院となった。
夫と2歳の子どもとの3人暮らし。
職業は保育士。
術前の右上肢機能は良好であり、セルフケアや家事動作は自立していた。
術後作業療法について正しいのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
右乳房切除術と腋窩リンパ節郭清術の後は、術側上肢のリンパ液の流れが悪くなり、リンパ浮腫が起こりやすくなります。
術後作業療法では、肩の可動域を回復させつつ、リンパ浮腫の予防を指導することが中心になります。
【選択肢別解説】
1:× 日焼けは皮膚の炎症を起こし、術側上肢のリンパ浮腫や感染の誘因になります。
正しくは強い日差しを避け、術側の皮膚を保護するよう指導します。
2:× 術側上肢を固定すると、肩関節の拘縮や筋力低下を招きます。
正しくは創部の状態に合わせて、早期から肩の可動域訓練を段階的に進めます。
3:× 保育士の仕事は、動作の工夫や負担の調整によって続けられる可能性があります。
本人の意思を確認せずに転職を勧めることは適切ではありません。
4:○ 重い物を持つと術側上肢に負担がかかり、リンパ液がたまりやすくなります。
重量物を持たないよう指導することは、リンパ浮腫を予防するために適切です。
5:× 物干し動作は肩の挙上を伴うため、術後の可動域訓練として生活の中に取り入れられます。
創部の状態を見ながら段階的に再開するのが正しく、3か月間一律に禁止する必要はありません。
【ポイント】
リンパ浮腫予防では、重量物の保持、締めつけの強い衣類、傷や虫刺され、日焼けなど、術側上肢への負担と感染の機会を減らすことを指導します。
肩の可動域訓練は、ドレーン抜去後から段階的に範囲を広げるのが一般的です。