70歳の男性。
診断名はCOPD。
mMRC息切れスケールはグレード4、画像所見では肺の過膨張が指摘されている。
在宅酸素療法が導入されていたが、感冒を契機に入院し、入院1週後に作業療法が開始となった。
酸素安静時1L/分、労作時2L/分で、開始時(安静時)のバイタルサインは心拍数86/分、呼吸数22/分、SpO2:94%、修正Borg Scale2であった。
作業療法で最も適切なのはどれか。
正答5
解説
正解は5です。
mMRCグレード4で、肺の過膨張がある重症のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の症例です。
作業療法では、呼吸困難を強めない動作方法や、安全な活動の範囲を指導します。
【選択肢別解説】
1:× 一度に多く食べると胃が膨らみ、横隔膜の動きが妨げられて息切れが強くなります。
食事は少量ずつ回数を分けてとるよう指導します。
2:× パンフレットを渡すだけでは、動作の方法や呼吸との合わせ方を身につけにくいです。
実際の動作を行いながら指導することが必要です。
3:× 心拍数110/分は、70歳の年齢から予測される最大心拍数(約150/分)の7割程度です。
これだけで一律に中止する基準にはならず、SpO2(経皮的酸素飽和度)や自覚症状とあわせて判断します。
4:× SpO2 85%は低すぎて、運動中に危険な低酸素状態になります。
ADL訓練は、一般にSpO2 90%以上を保てる範囲で行います。
5:○ 洗体のような上肢を使う動作は、呼吸を乱しやすく息切れを招きます。
動作を呼気に合わせて行うと、呼吸と動作が同調し、呼吸困難を軽減できます。
【ポイント】
COPDのADL指導では、口すぼめ呼吸、動作と呼気の同調、休憩の取り方、上肢の挙上を避ける工夫を組み合わせます。
mMRCグレード4は、息切れがひどく家から出られない、または着替えでも息切れがする状態です。