30歳の男性。
脊髄損傷(第5胸髄節まで機能残存)。
受傷から5か月が経過、セルフケアは自立し、退院に向けて住宅改修を検討している。
排尿は自己導尿、排便は座薬を使用し便器上で排泄。
自宅のトイレの改修前の見取り図を示す。
必要な住宅改修で適切でないのはどれか。
ただし、車椅子は全幅58cm、全長80cmとする。
正答5
解説
正解は5です。
この問題は適切でないものを選ぶので、○ が答え(不要な改修)です。
第5胸髄節まで機能が残存する脊髄損傷では、上肢と体幹上部が使え、車椅子で生活します。
見取り図では、開き戸が廊下側へ開き、開口幅は70cm、床はタイル張りです。
【選択肢別解説】
1:× 開き戸は、開閉のときに車椅子を前後に動かす必要があり、扉が通路をふさぎます。
幅85cmの廊下では特に操作しにくいので、引き戸への変更は必要な改修です。
2:× 開口幅70cmでは、全幅58cmの車椅子でも出入りに余裕がなく、手をぶつけやすくなります。
85cmに広げる改修は適切です。
3:× 洗面台の下に空間があれば、車椅子のフットサポートや膝を入れて正面から近づけます。
必要な改修です。
4:× タイル張りの床は目地の凹凸があり、濡れると滑りやすくなります。
車椅子の走行や移乗を安定させるため、フローリングなどへの変更は適切です。
5:○ 縦手すりは、立ち上がりや立位保持のときにつかまるための手すりです。
T5髄節残存では立位をとらず、プッシュアップや横手すり、便座への側方移乗で動作を行います。
縦手すりは必要性が低いので、この改修が適切でないものです。
【ポイント】
車椅子で出入りする開口部の有効幅は、80cm以上が目安とされます。
胸髄損傷では、移乗はプッシュアップで行い、立位を前提とした設備は不要です。