49歳の男性。
右利き。
右中大脳動脈領域の脳梗塞。
回復期リハビリテーション病棟で作業療法が開始された。
左上下肢に中等度の運動麻痺がある。
BITは通常49/146、行動47/81。
車椅子では常に図のような姿勢がみられた。
この患者への作業療法で最も適切なのはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
右中大脳動脈領域の脳梗塞で、BIT(行動性無視検査)の得点が低下している症例です。
BITは通常検査146点満点で131点以下、行動検査81点満点で68点以下が無視ありの目安で、本例は両方とも大きく下回っています。
図では、車椅子上で顔と視線が右側へ向いたままになっており、左半側空間無視の典型的な姿勢です。
【選択肢別解説】
1:× PQRST法は、文章を予習・質問・精読・要約・確認の手順で覚える記憶障害への方法です。
半側空間無視への訓練ではありません。
2:× 間隔伸長法は、覚えた情報を思い出す間隔を少しずつ延ばしていく記憶障害への方法です。
半側空間無視への訓練ではありません。
3:○ 視覚走査法は、無視側である左側へ意識して視線を向け、左端の目印から順に探索する習慣をつける訓練です。
左半側空間無視に対する代表的なアプローチです。
4:× 遮断除去法は、保たれている言語機能を先に刺激して、障害された言語機能を引き出す失語症の治療法です。
半側空間無視への訓練ではありません。
5:× 視覚イメージ法は、覚えたい情報を視覚的なイメージに置き換えて記憶する方法です。
記憶障害への代償手段であり、半側空間無視への訓練ではありません。
【ポイント】
半側空間無視には、視覚走査訓練、プリズム順応、無視側への手がかりの提示などを用います。
PQRST法・間隔伸長法・視覚イメージ法は記憶障害、遮断除去法は失語症の方法として区別します。