次の文で示す症例に対して障害神経を考慮して循経取穴を行う場合、最も適切な治療穴はどれか。
「46歳の女性。最近、指尖で物をつまむピンチ動作ができなくなったため来院。ティアドロップ徴候は陽性。知覚障害は認められなかった。」
正答4
解説
正解は4です。
ティアドロップ徴候陽性は、長母指屈筋と示指の深指屈筋が麻痺し、母指と示指でつまむと涙滴形にならない状態です。
知覚障害がないことから、運動枝だけからなる前骨間神経の麻痺と判断できます。
前骨間神経は正中神経が肘の直下で出す枝なので、正中神経の走行に沿う心包経から選穴します。
【選択肢別解説】
1:× 肘髎は手の陽明大腸経の経穴で、上腕骨外側上顆の上縁にあります。
この付近を走るのは正中神経ではなく橈骨神経です。
2:× 小海は手の太陽小腸経の経穴で、肘頭と上腕骨内側上顆の間にあります。
ここは尺骨神経溝に当たり、正中神経の経路ではありません。
3:× 消濼は手の少陽三焦経の経穴で、上腕後面、肘頭の上方5寸にあります。
この付近を走るのは橈骨神経です。
4:○ 曲沢は手の厥陰心包経の合水穴で、肘窩横紋上、上腕二頭筋腱の内方にあります。
そのすぐ深部を正中神経が通り、前骨間神経の分岐部に近い経穴です。
【ポイント】
前骨間神経麻痺は「ティアドロップ徴候陽性で知覚障害なし」が特徴です。
前腕前面中央を走る正中神経は、心包経の曲沢・郄門・内関とほぼ重なります。