次の文で示す患者の病証に対する治療方針で最も適切なのはどれか。
「27 歳の女性。長時間の VDT 作業で目に疲れと乾きを感じる。視力も低下し、疲れがたまると時々手がふるえる。舌質は淡、舌苔は薄、脈は細。」
正答1
解説
正解は1です。
目の疲れと乾き、視力低下、手のふるえ、淡舌、細脈から病証を判断し、治療方針を選ぶ問題です。
肝は血を蔵し目に開竅するため、肝血が足りないと目が養われず、乾きや視力低下が起こります。
また肝は筋を主るため、血が筋を養えないと手のふるえが起こります。
淡舌と細脈は血の不足を示し、全体として肝血虚証と判断できます。
【選択肢別解説】
1:○ 目と筋の症状に、血の不足を示す舌と脈が重なっており、肝血虚証です。
したがって肝血を補う方針が最も適切です。
2:× 脾陽を補う方針は、腹部の冷えや痛み、泥状便、四肢の冷えなどがある脾陽虚に用います。
本症例には消化器症状や冷えの訴えがありません。
3:× 腎陰を補う方針は、腰膝のだるさ、耳鳴り、ほてり、寝汗などがあり、紅舌少苔・細数脈を示す場合に用います。
本症例は淡舌で熱の所見がなく、腎陰虚ではありません。
4:× 肺気を補う方針は、息切れ、力のない咳、自汗、かぜをひきやすいなどの肺気虚に用います。
本症例には呼吸器の症状がありません。
【ポイント】
「肝は目に開竅する」「肝は筋を主る」は肝血虚の症状を理解する鍵です。
目の乾きやかすみ、爪のもろさ、筋のひきつりやふるえがそろえば肝血虚を考えます。