次の文で示す患者の病証に対する治療穴として、経脈の異常に基づく選穴で最も適切なのはどれか。
「60 歳の男性。主訴は右上の歯茎の痛み。長期間ストレスが続き、 3 日前から胸焼けとともに歯茎が腫れて軽く噛み合わせても痛む。脈は右関上が浮滑。」
正答2
解説
正解は2です。
歯茎の痛みがどの経脈の異常かを判断し、その経脈上の遠隔穴を選ぶ問題です。
足の陽明胃経は上歯の中に入り、手の陽明大腸経は下歯の中に入ります。
本症例は上の歯茎の痛みに胸焼けを伴い、胃を候う右関上の脈が浮滑です。
これらから、胃経の熱による病証と判断できます。
【選択肢別解説】
1:× 上関は足の少陽胆経の経穴で、頬骨弓中央の上際の陥凹部にあります。
歯に近い局所の経穴であり、胃経の異常に基づく選穴ではありません。
2:○ 内庭は足背の第2・第3指間、みずかきの後縁にある胃経の滎穴です。
胃経の熱による歯痛や歯茎の腫れに用いる遠隔穴として最も適切です。
3:× 顴髎は手の太陽小腸経の経穴で、外眼角の直下、頬骨下方の陥凹部にあります。
顔面の局所の経穴であり、胃経の異常に対応する選穴ではありません。
4:× 合谷は手の陽明大腸経の原穴です。
大腸経は下歯に入るため、上の歯茎の痛みを胃経の異常とみる本症例では最適ではありません。
【ポイント】
上歯は足の陽明胃経、下歯は手の陽明大腸経と対にして覚えます。
滎穴は身熱に用いるとされ、胃経の熱には滎穴の内庭がよく選ばれます。