次の文で示す患者の病証に対する治療方針として最も適切なのはどれか。
「46 歳の男性。主訴は肩こり。仕事で神経を使うことが多く肩こりが気になり始めた。イライラしやすく、こりがひどくなると肩上部のつまった感じがする。脈は左関上が弦。」
正答1
解説
正解は1です。
精神的な負担による肩こりの病証を判断し、治療方針を選ぶ問題です。
神経を使う仕事が続き、いらいらしやすいのは、肝の疏泄が失調して気が滞った状態です。
脈は肝を候う左関上が弦で、肩上部のつまった感じも気の滞りによるものと考えられます。
以上から肝気鬱結証と判断できます。
【選択肢別解説】
1:○ 肝気鬱結では、滞った気を巡らせることが治療の中心です。
「気を散らす」は鬱滞した気を発散させる方針であり、最も適切です。
2:× 脾気を補う方針は、食欲不振、泥状便、倦怠感などがある脾気虚に用います。
本症例には消化器症状や虚の所見がありません。
3:× 運化を促す方針は、脾の運化が低下して食滞や湿がたまる場合に用います。
本症例の主体は精神的な負担による気滞で、運化の問題ではありません。
4:× 瘀血を除く方針は、刺すような固定痛、夜間の増悪、舌の紫暗、渋脈などがある場合に用います。
本症例はつまった感じの症状で、瘀血の所見はありません。
【ポイント】
六部定位脈診では、左手の寸口が心、関上が肝、尺中が腎を候います。
右手の寸口が肺、関上が脾、尺中が命門(心包)を候います。
弦脈は肝胆の病や気滞を示す代表的な脈です。