次の文で示す症例について、身体診察でみられる可能性が最も高いのはどれか。
「54 歳の男性。半年前から右肩関節の疼痛が出現した。最近では疼痛は幾分軽減したが運動制限が顕著となった。ADL では衣服の着脱が不自由であり、結帯動作の制限がある。医療機関で肩関節周囲炎と診断されている。」
正答4
解説
正解は4です。
症例は、疼痛が軽くなる一方で運動制限が顕著になった、肩関節周囲炎の拘縮期の状態です。
拘縮期には関節包が硬く縮むため、他動的に動かすと最終域で硬い抵抗がはっきり感じられます。
【選択肢別解説】
1:× ドロップアームサインは、他動的に外転させた腕をゆっくり下ろせずに落ちてしまう徴候です。
腱板断裂を示す所見で、肩関節周囲炎では通常陽性になりません。
2:× ルーステストは、両上肢を挙上した位置で手指の開閉を3分間続け、しびれやだるさが出るかをみる検査です。
胸郭出口症候群の検査であり、本症例とは関係しません。
3:× 拘縮した肩では肩甲上腕関節の動きが制限され、腕を上げるときに肩甲骨が早くから大きく動いて代償します。
そのため肩甲上腕リズムは正常ではなく乱れます。
4:○ 関節包の癒着や短縮によって、可動域の最終域で硬く明瞭な抵抗(エンドフィール)が触知されます。
拘縮期の肩関節周囲炎で最もみられやすい所見です。
【ポイント】
肩関節周囲炎は、疼痛が強い炎症期、可動域制限が主体の拘縮期、回復期の順に経過します。
結帯動作の制限は内旋の制限を、結髪動作の制限は外旋と外転の制限を反映します。