AとBとの間で令和2年7月1日に締結された委任契約において、委任者Aが受任者Bに対して報酬を支払うこととされていた場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
正答1
解説
正解は1です。
2020年4月施行の改正民法による、委任の報酬・注意義務・終了事由の問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 委任者Aの責めに帰すべき事由で履行できなくなった場合、民法536条2項が適用されます。
受任者Bは、反対給付である報酬全額を請求できます。
ただし、自己の債務を免れたことで得た利益は、Aに償還しなければなりません。
2:× 受任者が負うのは、自己の財産と同一の注意ではなく、善良な管理者の注意です(民法644条)。
自己の財産と同一の注意で足りるのは、無報酬の受寄者などの場合です(民法659条)。
3:× 報酬を請求できない、という部分が誤りです。
委任が履行の中途で終了したときは、既にした履行の割合に応じて報酬を請求できます(民法648条3項2号)。
受任者に帰責事由がある場合でも、この割合報酬の請求は否定されません。
4:× 委任は受任者の死亡によって終了します(民法653条1号)。
相続人が受任者の地位を承継して事務を処理する義務はありません。
相続人が必要な処分をする義務を負うのは、急迫の事情があるときに限られます(民法654条)。
【ポイント】
受任者は、有償・無償を問わず善管注意義務を負います。
中途終了の場合の割合報酬は、委任者に帰責事由がないときに認められる制度です。