賃貸人AがBに管理を委託しCに賃貸する管理受託方式と、AがBに賃貸し、BがAの承諾を得てCに転貸するサブリース方式の異同に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア BのCに対する立退交渉は、管理受託方式もサブリース方式もいずれも弁護士法に抵触し違法となるおそれがある。
イ Cの善管注意義務違反により賃貸物件が毀損したときは、管理受託方式の場合、BはAに対して損害賠償責任を負うが、サブリース方式の場合、BはAに損害賠償責任を負わない。
ウ Cが賃借する契約が終了し、Cに対して建物明渡請求訴訟を提起する場合は、管理受託方式の場合はAが原告となり、サブリース方式の場合はBが原告となる。
エ AB間の契約について、管理受託方式の場合は借地借家法の適用はなく、サブリース方式の場合は借地借家法の適用がある。
正答1
解説
正解は1です。
この問題は誤っている記述の組合せを選びます。
【記述別解説】の ○・× は、記述そのものが正しいか誤りかを表します。
管理受託方式ではBはAから管理を任された者、サブリース方式ではBはCの貸主であり、この立場の違いが問われています。
【記述別解説】
ア:× サブリース方式では、BはCの貸主(転貸人)として、自分の契約について交渉します。
これは自己の法律事務なので、弁護士法72条(非弁行為の禁止)には抵触しません。
抵触するおそれがあるのは、管理受託方式でBが報酬を得てAに代わり立退交渉をする場合です。
「いずれも」抵触するおそれがあるとする点が誤りです。
イ:× 結論が逆になっています。
管理受託方式では、CはBの契約相手ではないため、Cの毀損についてBが当然にAへ賠償責任を負うことはありません。
サブリース方式では、BはAの賃借人であり、転借人Cの過失による毀損についてもAに損害賠償責任を負います。
ウ:○ 明渡請求訴訟の原告は、Cとの賃貸借契約の貸主です。
管理受託方式ではAが、サブリース方式ではBが貸主なので、記述は正しいです。
エ:○ 管理受託方式のAB間の契約は委任(準委任)であり、借地借家法は適用されません。
サブリース方式のAB間の契約は建物賃貸借なので、借地借家法が適用されます(最判平成15年10月21日)。
誤っているのはアとイなので、正解は1です。
【ポイント】
サブリース方式のBは「Aの借主」であり「Cの貸主」でもあります。
この二重の立場から、責任・訴訟の当事者・適用法令を導けるようにしましょう。