定期建物賃貸借でも一時使用目的の賃貸借でもない建物賃貸借契約(以下、各問において、「普通建物賃貸借契約」という。)で、賃借人が賃料3か月分を滞納している場合において、賃貸人又は賃料の収納業務を委託された賃貸住宅管理業者の対応に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
この問題は、賃料滞納時の対応(保証人への請求・敷金の充当・弁済の充当・訴訟)を問うています。
【選択肢別解説】
1:× 連帯保証人には、先に賃借人へ請求するよう求める権利はありません。
連帯保証人には、催告の抗弁権と検索の抗弁権がありません(民法454条)。
そのため賃貸人は、賃借人に請求しなくても、直ちに連帯保証人に請求できます。
2:○ 賃借人は、敷金を滞納賃料に充てるよう請求することはできません。
敷金を債務の弁済に充てることができるのは賃貸人であり、賃借人から充当を請求することはできません(民法622条の2第2項)。
したがって賃貸人は、充当の請求を受けても、滞納賃料の全額と遅延利息を請求できます。
3:× 弁済者が充当先を指定した場合は、受領者が異議を述べてもその指定に従います。
弁済をする者は、給付の時に、どの債務に充当するかを指定できます(民法488条1項)。
異議によって充当が争われるのは、弁済者が指定せず受領者が指定した場面です(同条2項)。
本肢では賃借人が前月分と指定しているので、前月分に充当されます。
4:× 管理業者が訴訟を提起して滞納賃料を回収することはできません。
弁護士でない者が報酬を得る目的で他人の法律事件を扱うことは禁止されています(弁護士法72条)。
また、訴訟代理人は原則として弁護士でなければなりません(民事訴訟法54条1項)。
賃貸人から特別の委任があっても、この制限は変わりません。
【ポイント】
敷金の充当は賃貸人の権利であり、賃借人からは請求できないという一方向の関係を押さえましょう。
管理業者による訴訟の提起や法的な交渉の代行は、弁護士法違反となる点も頻出です。